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ピアノの種類・タイプは?初心者が選ぶ際のポイントも紹介

ピアノの種類・タイプは?初心者が選ぶ際のポイントも紹介

大人になってからプロのピアニストを目指すのは少々難しいですが、ピアノはいくつになっても楽しむことができる楽器です。

そのため「自宅にピアノがあればいつでも気軽に弾ける」「ピアノを習ってみたい」「キーボードで練習をしていたけど本物のピアノがほしい」など、最近は子どものためだけではなく、自分のためにピアノの購入を検討している大人が増えてきました。

しかし、ピアノには種類があり、さまざまなメーカーが出しているため、見れば見るほど、どれを購入したらいいのかわからなくなってしまうこともあるでしょう。種類やメーカーの名前は聞いたことがあっても特徴がわからない人も少なくありません。

本記事では、ピアノの購入を検討している方に向けて、ピアノの種類やメーカーの特徴、選ぶときのポイントなどをわかりやすく解説します。

目次

主なピアノの種類

ピアノは大きく分けると以下の種類に分けられます。

  • グランドピアノ
  • アップライトピアノ
  • 電子ピアノ
  • ハイブリッドピアノ

グランドピアノとアップライトピアノは、アコースティックピアノと呼ばれ、指先で鍵盤を押すとハンマーが動き弦を叩いて音を出します。電子ピアノはアコースティックピアノをデジタル化したものです。

ハイブリッドピアノは、アコースティックピアノとデジタル技術が組み合わされています。

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

グランドピアノ

グランドピアノは、水平方向に響板があり、弦も水平に張られているピアノです。

コンサートホールや学校などでよく見かけるグランドピアノですが、さまざまなサイズがあり、大きくなればなるほど弦を長くできるため、振動も大きくなり、音の響きがよくなります。

天井が高く広い部屋に置くと共鳴も得られます。鍵盤を素早く連打してもスムーズに音がなるため、リズミカルな演奏が可能です。

グランドピアノはサイズが大きすぎたり、重量の関係で設置できなかったりなど、自宅で所有するには難しいケースもありますが、奥行きが150~160cmほどのものから3mのものまで幅広いサイズが存在します。

価格は140~330万ほどが目安です。

アップライトピアノ

アップライトピアノは、高さが120~130cmほどで、地面に垂直に弦が張ってあるため、場所を取らず狭いスペースでも置くことが可能なモデルです。

グランドピアノと比べると、弦を叩くときハンマーが横向きになるため少々戻りに時間がかかる、音色や音質が少々劣るなどのデメリットがあります。しかし、近年ではグランドピアノの弾き心地と変わらないように改良を重ねたアップライトピアノが多く販売されています。

価格もグランドピアノと比べると抑えられているため、初心者や趣味でピアノを弾きたい人にもおすすめです。

電子ピアノ

電子ピアノは、アコースティックピアノをデジタル化したもので、鍵盤を弾くと電子データとして内蔵された音が出る仕組みのピアノです。

一般的には、アコースティックピアノと同じく88鍵ですが、76鍵や61鍵の電子ピアノもあります。本格的に楽しみたいのであれば、88鍵がおすすめです。

電子ピアノにはアップライトピアノのような形のキャビネットタイプと、デスクやテーブルの上に置ける卓上タイプがあります。

卓上タイプは専用のスタンドを用意すれば、キャビネットタイプと同じように演奏可能です。常時、置いておく場所がないと悩む必要がありません。

グランドピアノやアップライトピアノは、指のタッチなどで音を繊細に表現しなくてはなりませんが、電子ピアノは初心者でも音量や音色を変えることができる優れものです。

ヘッドホンを使用すれば、外に音が漏れないようにできるため、練習時間が夜遅くなってしまい音を出せない、人に聴かれたくないなどの悩みも解決できます。

最近はアコースティックピアノと同じく、鍵盤のタッチで音を変えられる電子ピアノも多く、練習用のピアノとしては十分役割を果たしてくれるでしょう。

価格もグランドピアノやアップライトピアノに比べると、かなり安く購入できます。

ハイブリッドピアノ

ハイブリッドピアノとは、アコースティックピアノと電子ピアノが融合したもの。

アコースティックピアノ同様に、ハンマーアクションが搭載された電子ピアノで、鍵盤のタッチは生のピアノと同じですが、弦が張られていないため音が出る仕組みは電子ピアノのように電子データになります。

大きな音は出せなくても、せめて鍵盤のタッチだけは生のピアノと同じ環境で練習がしたい人におすすめです。

主なピアノメーカー

主なピアノメーカー

ピアノは種類によっても特徴が異なりますが、メーカーでもさまざまな違いがあります。

各メーカーの音色やタッチの違いなどの特徴を覚え、購入するときの参考にしてください。

YAMAHA(ヤマハ)

YAMAHA(ヤマハ)は1897年に創業した老舗メーカー。創業者の山葉寅楠が静岡県の浜松で壊れたオルガン修理をきっかけに、国産オルガンの製作に成功したことから始まりました。

ピアノだけではなく、さまざまな楽器を販売しているため、知名度も高いメーカーです。

世界で最もシェア率が高いブランドといわれており、多くのコンサートホールで使用されています。

YAMAHAのピアノは、高音から低音までバランスの取れた音色で、とくに高音部はキラキラとした明るく華やかで、大きなホールでもきれいな音が響き渡ります。鍵盤は比較的軽いタッチが特徴で、軽快な演奏が可能です。

YAMAHAはアコースティックピアノだけではなく、電子ピアノも製造しています。低価格のシリーズでも、最高級のグランドピアノの音が収録されており、ピアノ以外の音色を出せたり、スマホやタブレットと連携機能がついていたりと、機能が多彩です。

Steinway&Sons(スタインウェイ&サンズ)

Steinway&Sons(スタインウェイ&サンズ)はアメリカの大手ピアノメーカー。ドイツからニューヨークへ移住したスタインウェイ一家が1853年に創業しました。

職人が手作業で作っているため、一つのピアノを作るのに1年以上かかります。そのため、値段も他のメーカーに比べると高額ですが、世界中のピアニストに愛されています。

Steinway&Sonsは弾き手のテクニックが伝わりやすく、多彩な音色を奏でられるのが特徴です。古典から現代曲まで、ピアノでさまざまな音楽を演奏したい人におすすめ。

現在の通常モデルはグランドピアノ7種類、アップライトピアノ1種類ですが、小さなモデルでも音色のクオリティに差がないといわれています。

KAWAI(カワイ)

KAWAI(カワイ)は、1927年にYAMAHAに勤務していた河合小市が独立して創業したピアノメーカーです。国内のシェアはYAMAHAに次いで2位。価格はKAWAIの方がYAMAHAよりも少し安価です。

KAWAIのピアノは落ち着いた優しい音色が特徴で、重厚感のある低音はカワイトーンと呼ばれ人気を集めています。

YAMAHAと比べると鍵盤のタッチは少し重め。購入を検討している人は、実際にどのようなタッチか試してみるといいでしょう。

KAWAIでも電子ピアノを作っており、限りなくアコースティックピアノに近いタッチが再現されています。

Roland(ローランド)

Roland(ローランド)は日本を代表する電子楽器メーカーで、1972年に創業しました。シンセサイザーやギター用のエフェクター、音響機材なども作っています。

Rolandが電子ピアノを作ったのは1974年。鍵盤のタッチで強弱が付けられる、世界初のタッチセンス付きピアノを発表しました。

サウンド・タッチ・デザインのすべてにこだわったRolandの電子ピアノは、さまざまなシーンに合わせて作られているため、ラインナップが豊富。

音源は世界三大ピアノメーカーなど海外有名ブランドの音をサンプリングし、華やかな音を作っています。弾き手によって表情を変える音色は、グランドピアノにも引けを取りません。プロミュージシャンやクラシックの演奏家も認めるレベルの電子ピアノです。

CASIO(カシオ)

CASIO(カシオ)は、電卓や時計、デジカメなどでお馴染みのメーカーですが、電子楽器の製造も行っています。

電子ピアノは30年以上の実績があり、CASIOの電子ピアノは他のメーカーの同程度の製品と比べると価格が安く、卓上タイプであれば3万円台で手に入るため、初心者からも人気です。

CASIOの上位モデルは、世界三大ピアノの一つであるドイツのベヒシュタインと共同開発をしています。CASIOの電子ピアノは、シャープでクリアな音が特徴です。

電子ピアノだけではなく、ハイブリッドピアノも製造しています。

ピアノを選ぶポイント

ピアノを選ぶポイント

ピアノはさまざまなメーカーや種類があり、価格も安価ではないため、数回見ただけではなかなか購入を決意できません。

音楽教室に通うのであれば講師に相談もできますが、楽器の販売も行っている音楽教室の場合は当然自社のメーカーを勧めてくるでしょう。

他のメーカーにも魅力を感じている場合は、ピアノを選ぶポイントを押さえておくと、自分に合ったピアノを選択できます。

主なポイントは以下の通りです。

  • 音の響き
  • 中古or新品
  • 価格帯
  • 大きさ
  • タッチ感
  • 鍵盤数
  • 色・材質

具体的にどのようなことに注意しながらピアノを選べばいいのか確認していきましょう。

音の響き

弾いて心地がいいと感じる音のピアノを選びましょう。インターネットでも簡単に購入できますが、楽器店などに足を運び弾き比べることが大切です。電子ピアノは、スピーカーの数や質で音の響きが変わります。

アコースティックピアノに近い響きの電子ピアノを求めている人は、スピーカーの性能にも注目してください。

また、電子ピアノは同時発音数が多ければ多いほど、不自然に音が切れるのを防げるため、美しい響きになります。

電子ピアノの性能はどんどん向上していますが、やはり本物のアコースティックピアノの豊かな響きには叶いません。

アコースティックピアノを設置できる環境であれば、グランドピアノやアップライトピアノの購入をおすすめします。

中古or新品

ピアノは安いものではないため、ほしいモデルがあっても価格で手が届かない場合もあります。予算をオーバーしてしまったときは、中古を検討するのも一つの方法です。

すでに販売が終了しているモデルが手に入ることもあります。中古は適度に弾き込まれているものは弾きやすく鳴りもいいですが、かなり弾き込まれているピアノの場合は音が固く表現が乏しくなることもあります。

また、中古の場合は一部の部品がないなど、整備されていない可能性もあります。

中古の楽器を購入して、高い修理代がかかるのであれば、新品を購入したほうがいいかもしれません。

アコースティックピアノの新品は中古に比べて寿命が長く、音色の癖がついていないため、自分の音を育てていくことができます。

メーカーの保証がつくのも新品を購入するメリットの一つ。

ただし、音質や調律が安定するまで1~3年かかるため、ある程度の弾き込みが必要です。

調律は通常であれば1年に1回が目安ですが、新品のピアノは半年に1回程度になることもあります。

価格帯

ピアノはピンからキリまでさまざまな価格のものが存在します。グランドピアノは100万円以上、アップライトピアノは40万円以上が目安です。

コンサート仕様のグランドピアノは数千万円するものもあります。

電子ピアノは、5万円クラスのモデルもあれば、アップライトピアノの価格帯に近い40万円程度のものも。

「初心者で続けられるかわからないため、とりあえず安価なものを…」と考える人もいるかもしれませんが、機能が低いピアノでは演奏を楽しめないかもしれません。

無理をする必要はありませんが、価格の相場を知った上で予算を決めて、自分に合ったピアノを探してみてください。

大きさ

ピアノはサイズが大きくなると響板が広く、そして弦が長くなるため、表現の幅が広がります。しかし、グランドピアノで弾きたい、高くてもいいピアノがほしいと思っても、自宅に設置ができないピアノは購入できません。

自宅で設置する場所の広さは必ず確認しましょう。また、ピアノが搬入できるかどうかも確認してください。

直射日光やエアコンの風が当たらない場所を選ぶことも大切です。アップライトピアノは、転倒防止や通気性をよくするために、壁から10~15cmほど離して設置しなくてはなりません。

グランドピアノはサイズが大きいイメージがありますが、奥行きが151cmほどのコンパクトなサイズもあるため、設置が可能か気になる場合は楽器店などに相談するといいでしょう。

タッチ感

ピアノのタッチ感も、音の響き同様に実際に弾いてみて、自分に合ったものを選びましょう。同じアコースティックピアノでも、YAMAHAとKAWAIのようにメーカーによって重さが異なります。

電子ピアノも本物に近いタッチになるように作られていますが、よりリアルなタッチを求めるのであればハイブリッドピアノがおすすめです。

ハイブリッドピアノであれば、ヘッドホンの使用もできるため、夜遅い時間帯でも練習が可能です。

鍵盤数

一般的なピアノは、88鍵盤です。アコースティックピアノの場合は鍵盤数が減っていることはありませんが、電子ピアノを購入する際は76鍵や61鍵のものもあるため注意しましょう。

クラシックを弾く場合は、初心者であっても88鍵あるのが理想です。

設置場所が狭く置けない、持ち運びたいなど、特殊な理由がない限りは、初心者であっても88鍵あるものを選びましょう。

色・材質

ピアノの色といえば、黒を思い浮かべる人も多いでしょう。日本では黒塗りが主流ですが、ヨーロッパでは木目のピアノも多く見られます。厳密にいうと違いがありますが、色が音に影響を与えることはほとんどありません。

黒いピアノは塗料を吹き付けるだけですが、木目のピアノは板を貼り付ける手間がかかるため、価格が上がります。予算内であれば、部屋の雰囲気に合わせて色を選ぶのも間違いではありません。

ピアノの管理で気をつけるべきこと

ピアノはたくさんの部品で作られており繊細な楽器です。アコースティックピアノの場合は、1年に1回を目安に定期的な調律も必要になります。

メンテナンスも大切ですが、なるべくいい状態を保つためにピアノを管理する際に気をつけることを見ていきましょう。

室温や湿度が高いところに置かない

ピアノを置く場所は、人にとって快適な環境が望ましいといわれています。そのため、室温や湿度が高いところは適していません。

目安の温度は15~25℃。湿度は、夏は40~70%、冬は35~65%がベストです。

日本は湿度が高いため、日本のメーカーはある程度の湿度に耐えられるように作っていますが、湿度が高いときは除湿器を使用するなどの工夫をしましょう。

ただし、湿度は低ければいいというものでもなく、乾燥した状況もピアノにとってよくありません。

乾燥すると木材の部分にヒビが入る恐れもあります。湿度が低い場合は加湿器を使用しましょう。ピアノは直射日光が当たる場所に置くのもNG。弦や響板、塗装などさまざまな部分に劣化が生じます。

場所によっては床の補強が必要

一般的にグランドピアノは300~350kg、アップライトピアノは200~250kgほどあります。住居の床は、建築基準法で積載荷重が1㎡あたり180kgと定められています。

余裕を持った積載荷重で作られていることも多く、床の補強は必要がないことが多いですが、古い建物や場所によっては補強が必要になるケースもあるため、建築会社に相談しましょう。

床の補強をする必要はなくても、ピアノは一度決めた場所から動かすことがあまりないため、マットを敷いたり、インシュレーターを設置したりすると、床の保護だけではなく、防音や地震対策にもなります。

ピアノの防音対策はどうする?

マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいる、戸建てでも隣の家の距離が近い場合は、ピアノの音に配慮しなくてはなりません。

「電子ピアノで音を出さないから大丈夫」と考えている人もいるかもしれませんが、ピアノは打鍵音も響きます。演奏を思いっきり楽しむために、ピアノの防音対策の方法を紹介します。

防音室を作る

工事は必要ですが、自宅に防音室を作れば、音の大きさを気にすることなく思いっきりピアノ演奏が楽しめます

ただし、防音室を作るには300万円前後の費用がかかるため、非常にハードルが高いです。

マンションの場合は、管理会社へ相談しなくてはなりません。

管理会社から許可が出ても、防音室の部材が重く設置ができなかったり、周囲の住人に工事を反対されたり、工事中は自宅で生活ができないこともあります。

防音室を作れない場合は、組み立て式の防音室を設置する方法もあり、重量制限さえクリアすれば大掛かりな工事も不要です。

防音壁・ドアをつける

防音室の設置が難しくても、壁やドアで防音対策が可能です。吸音効果のあるグラスウール、遮音効果のある鉄材などを使用した防音グッズがあります。

ねじなどを使用せず、壁に立てかけるだけの防音壁もあり、防音室に比べると気軽に設置ができます。

窓用の防音パネルなどもあり、各家庭のサイズに合わせて生産しているメーカーもあるため、購入する際は楽器店などに相談するといいでしょう。

防音マットを敷く

防音マットはピアノの下に敷くことで、ピアノの音だけではなく、打鍵音などの振動音も抑えてくれます。

部屋の雰囲気に合わせてカラーを選べるメーカーもあります。設置の際はピアノを持ち上げる必要があるため、注意してください。

アコースティックピアノの場合、ピアノの足をしっかりと固定できるインシュレーターも効果的です。振動音を防ぐだけではなく横すべりも防止するため、地震対策にもなります。

サイレント機能があるピアノを選ぶ

防音対策が難しい場合は、アコースティックピアノは避けて電子ピアノやハイブリッドピアノなど、サイレント機能がついているピアノを選ぶといいでしょう。

サイレント機能があれば、夜遅くに練習も可能です。ただし、サイレント機能があっても打鍵音の振動音は発生するため、防音マットを使用してください。

まとめ

ピアノは大きく分けると、グランドピアノ・アップライトピアノ・電子ピアノ・ハイブリッドピアノの4種類があります。

同じ種類のピアノでも、メーカーによって特徴が異なるため、実際に触れて自分に合ったピアノを見つけましょう。

購入するときはさまざまなメーカーや種類があるため迷ってしまいますが、設置する環境や予算など選ぶときのポイントを押さえておけばある程度候補を絞れます。

ピアノを購入する際は、防音対策もしっかり行ってください。ピアノの音だけではなく、振動音も響くため配慮が必要です。

ピアノは一生ものといっても過言ではありません。納得の一台を見つけ、演奏を楽しんでください。

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この記事を書いた人

音楽教室やレッスンに関する情報を発信しています。実際の受講生の声も交えながら、各教室の特徴や強みを分かりやすく紹介します。音楽の世界への第一歩を、ここから踏み出しましょう。

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