ギターは初心者でも始めやすい楽器の一つです。
「ギターであの曲を弾いてみたい」「歌が好きだからギターで弾き語りができたら…」と憧れや興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ギター初心者に向けて最初に知っておくべき知識やギターが上達するポイント、ギター教室に通うメリット・デメリットなどを詳しく解説します。
ギターを始めるのに遅すぎることはない!
ギターに限らず、習い事は子どものころから始めないと遅いのではないかと考えている人も多いのではないでしょうか。
大人になってからギターを始めても、遅いことはありません。
ギターを幼いころから始めて上達する人もいますが、大人のほうが限られた時間で学ぼうとする集中力があるため、早く上達することも充分にあります。
また、大人の場合は自分で好きなギターを選ぶことができるため、お気に入りの楽器でモチベーションも高く取り組むことが可能です。
ギターは始めやすく、一生楽しめる趣味でもあります。
時間は無限ではありません。悩まずにチャレンジしたいと思ったら、早速始めてみましょう。
初心者がギターの練習を始める前に知っておくべき知識
大人が「やはりギターを始めるのが遅かったのかもしれない」「自分にはギターは向かないのかもしれない」と挫折してしまう原因の一つは、ギターの基礎を知らずに始めてしまうことです。
ギターの練習を始める前に知っておきたい基礎知識を3つ紹介します。
楽譜と同等以上にTAB譜が重要
ギターでは、TAB(タブ)譜と呼ばれるギターのどの弦を押さえて演奏するかが書かれている簡易的な楽譜を使用します。
そのため、楽譜が読めることも大切ですが、読めなくてもTAB譜がわかればギターは弾けてしまいます。
楽譜が読めない場合は、先にTAB譜を読むことからチャレンジしてみましょう。
TAB譜でギターが上達してきたら、楽譜も読めるようにすると、よりいっそうギターが楽しめます。
ギターのチューニングが必要
チューニングとは、音の高さを合わせることです。ギターの場合、6本の弦を決められた音に整えます。
チューニングを行わないと、どんなに弦を正しく押さえても音が合いません。
ギターを弾く際は、必ずチューニングが必要です。
音を合わせるときはチューナーを使用します。
チューナーはギターのネックに挟むクリップ型のタイプや、シールドと呼ばれるケーブルでギターとチューナーをつなぐカード型、足元に置いて操作ができるアンプとギターの間に入れるエフェクター型があります。
クリップ型は簡単に設置でき、持ち運びにも便利なコンパクトなサイズが魅力的。しかし、弦から音を拾うわけではなく、鳴らした音に反応するため、ギター以外の音にも反応してしまうこともあります。
カード型はシールドでギター本体とつなぐため、他の音を拾うことなく正確なチューニングができます。チューニングだけではなく、メトロノーム機能が搭載されているものもあり、練習時には重宝するでしょう。
カード型を使用してもアコースティックギターなどはシールドが接続できないため、チューナーのマイクを使ってチューニングをします。外部の音を拾ってしまう恐れがあるため静かな場所で行いましょう。
エフェクター型は、演奏中でもスイッチを切り替えるだけでもチューニングが可能です。エフェクターと同じくらいのサイズのため、持ち運びには少々不便だったり、ACアダプターが必要だったりする場合もあります。
また、他のチューナーよりも高価なため、初心者はクリップ型かカード型がおすすめです。
最近はスマートフォンのアプリでもチューニングができます。
「ギターを始めたいけど続くかわからないし、最初からいろいろな機材をそろえるのは億劫」という人にはアプリがおすすめです。
ただし、アプリを使用する際はクリップ型と同様に周りの音を拾いやすいため、静かな場所でチューニングをする際に限られます。
不器用でも練習次第で上達すると信じることが不可欠
「不器用だからギターを弾くのは無理かもしれない」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、ギターは練習次第で上達できます。
弦が上手く押さえられないこともありますが、指の位置や手首の角度を工夫するなど、ギターにはコツがあります。
自分の弾きたい曲が弾けない、コードが押さえられないからといって、すぐに諦めてはいけません。
練習を積み重ねれば弾けるようになると信じ、諦めずにギターを続けることが大切です。
初心者のためのギター選び
ギターは大きくわけると、アコースティックギターとエレキギターの2種類があります。
それぞれの特徴を知り、自分の目的に合ったギターを選択しましょう。
弾き語りをしたい場合はアコースティックギター
アコースティックギターは、電気を使用せず弦の振動をボディで反響させて音を出します。
フォークギターやクラシックギター、ウエスタンギターもアコースティックギターの一種です。
アコースティックギターはポップスやクラシックなどさまざまなジャンルで活躍する温かみのある音が特徴で、ギターだけでも演奏が楽しめます。弾き語りをしたい人にもぴったりです。
アコースティックギターの弦は、エレキギターに比べると太く張りがあるため、弦を押さえる力が必要になります。慣れるまでは指の負担が大きいのが特徴です。
また楽器の構造上、音を抑えるのが難しいため、住居の環境によっては自宅での練習が難しくなる恐れがあります。
バンドで演奏する場合はエレキギター
エレキギターには、ボディにピックアップと呼ばれるマイクがあります。弦の振動をピックアップが拾い電子信号に変え、アンプから音を出す仕組みになっています。
エレキギターの種類は多く、テレキャスターやストラトキャスター、レスポールなどは有名なモデルです。
厚みのある音で、曲に合わせてギターを変えなくてもさまざまな音色を出せます。
エレキギターはロックやジャズ、ヘヴィメタルなどにもぴったりのタイプで、一人で弾くのではなく、いずれバンド演奏をしたい人におすすめ。
アコースティックギターよりも弦の張りが柔らかいため、初心者でも押さえやすいのも特徴です。
アンプから音を出さなければ、単体で弾いたときの音量は大きくないため、マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいる場合も練習ができる可能性が高いでしょう。
初心者がまず覚えるべきギターの基本的な構成
ギターを学ぶには、名称を知っておくことも重要です。
ギターは大きく分けるとヘッド・ネック・ボディの3つに分けられ、それぞれの部分にさまざまなパーツが使用されています。
練習方法を見ても何を指しているのかわからないと、とても苦労します。
ギターの基本的な構成を詳しく見ていきましょう。
弦
ギターの音を鳴らすのに欠かせない弦。指やピックで弾くと音が出る仕組みです。
ギターには6本の弦があり、ギターを構えたときに1番下に来る弦から順に1弦、2弦…と数えます。
1弦が1番細く、数が大きくなるにつれて弦が太くなり、細い弦は高い音が、太い弦は低い音が鳴ります。
ナットとサドル
ナットはヘッドとネックの境目にある弦を乗せるパーツ。一方、サドルはボディにあるフリッジと呼ばれる台座の上にあり、こちらも弦を固定させるために乗せるパーツです。
どちらも弦の振動幅や音色を決める重要な部分で、牛骨や象牙、樹脂、金属などさまざまな素材でできています。
安価なギターはナットやサドルの質が悪く、作りが雑なこともあり、交換すると上質な音色に変化することもあります。
ペグとブリッジ
弦を張るために必要なペグとブリッジ。
ボディについているブリッジに弦を固定し、ヘッドについているペグを回して弦の張りを調整するとチューニングができます。
ブリッジはアコースティックギターの場合は木材でできており、エレキギターの場合は金属製です。
アコースティックギターはボディに直接ブリッジがついているため、素人が取り外すのは困難です。
エレキギターは比較的簡単に交換ができるため、慣れてきて「自分の音を作りたい」と思ったときは交換してみるといいでしょう。
交換方法がわからないときは、楽器店などに相談してください。
フレットとネック
ネックはボディとヘッドをつなぐ細い木製の部分で、フレットは音程を決めるために一定の間隔でネックについている金属製のパーツです。
ギターを演奏するときは、フレットとフレットの間を押さえ正確な音を奏でます。複数のフレットを同時に押さえると和音を鳴らすことができます。
1フレットが半音、2フレットが全音です。
フレットはニッケル素材でできていることが多く、弦より柔らかいため削れてしまうことがあります。深く削れてしまった場合は交換が必要です。
ステンレスの削れないフレットもありますが、キンキンとした硬い音になってしまう恐れも考えられます。
初心者がギターを上達させるための5つのポイント
ギターの基礎知識を身につけたら、早速練習を行いましょう。
初心者がギターの上達を目指すために行いたいことは5つあります。
- 毎日練習する
- 目標を決める
- 基礎練習をする
- 姿勢に注意する
- ギター教室に通う
具体的にどのように練習に取り組めばいいのか詳しく見ていきましょう。
毎日継続的に練習する
ギターに限らず楽器を練習する際は、毎日継続的に行うことが大切です。
1日15分でもいいので、ギターを触る習慣をつけることで上達が早くなります。
仕事や学業でなかなか時間が取れない、ギターが手元にないなどの理由で毎日練習をするのが難しい人は、仕事の日はコードやテクニックなどを頭の中で学び、休日に覚えたことを実践してみるといいでしょう。
明確な目標を設定する
毎日明確な目標を立てて練習に取り組みましょう。
始めは小さな目標を設定してください。いきなり大きな目標を立てる心意気はいいですが、挫折する可能性も高くなります。
弦をしっかりと押さえられるようになる、音階ができるようになるなど、簡単な目標で達成感を味わい、コツコツと練習を重ねていきましょう。
少し弾けるようになったら「〇月までにこの曲を弾けるようになる」「この演奏会に参加する」など人前で弾くことを目標に持つことも上達するポイントです。
また、練習する際は時間も決めましょう。だらだらとほかのことをしながら2~3時間行うよりも、ギターだけに集中した30分のほうが上達します。
曲から始めずに基礎練習やコードから始める
いきなり曲を弾こうとすると、わからないコードや奏法が出てきてしまうため、挫折してしまいます。
まずは、基礎練習やコードの学習から始めましょう。
クロマチックやローコードの練習を行い、ある程度コードが押さえられるようになったら、右手のストロークも練習をします。
難関コードと呼ばれているバレーコードの練習も欠かせません。
一通り済んだら、自分の弾きたい曲ではなく、定番のコード進行で多くの曲に使用されているカノン進行にチャレンジしてみましょう。
ギターの柔軟体操であるクロマチックは、プロでも行う基礎練習です。どんなにギターが弾ける人でも基礎練習を欠かしません。
遠回りのように見えるかもしれませんが、しっかりと基礎を身につけましょう。
教則本を活用するのもおすすめです。ギターの基本はもちろんですが、演奏しやすいフレーズやコードなどが学べます。
演奏のための正しい姿勢を身につける
ギターを演奏するときは姿勢も大切です。
初心者は立って演奏せず、まずは椅子に座って練習してみましょう。太ももにギターのくぼみを乗せて身体の近くに引き寄せてください。
姿勢をチェックするときのポイントは以下の通りです。
- 背筋を伸ばす
- 両足を地面につける
- 重心は身体の中央に持ってくる
- あごを前に出さない
初心者はついつい手元に集中してしまうため、猫背になってしまう傾向があります。
ふらふらと支えがない状態で弾くのはよくないため、両足はしっかりと地面につけ、身体の重心が中央にあるかも意識してみましょう。
椅子がない場合、あぐらをかくのは猫背になりやすいのでおすすめできません。
どうしてもあぐらで練習したいときは、お尻にクッションや座布団を敷いてみると少しだけ姿勢が改善されます。
ただし、長時間練習するときは椅子に座ったほうが安定し、集中力もアップします。
ギター教室に通ってプロに教えてもらう
早く上達したいと考えるのであれば、ギター教室に通いプロに教えてもらうのもいいでしょう。
疑問点があった場合は、自分で調べなくてもすぐに教えてもらえるため、無駄な時間がありません。
また、自分では上手くできていると思っていても、プロから見ると間違っていることもあります。
独学だけでは、自己流の癖がついてしまうこともあるため、客観的に評価してもらうことも大切です。
「習ってみたいけど、ギター教室に通う時間がない」という人は、椿音楽教室がおすすめ。
プロの講師がレベルに合わせてマンツーマンで教えてくれます。時間も場所も選ばずレッスンが受けられるため、忙しい人にもぴったりです。
60分の無料体験もあるため、ギターを始めようと思っている方は試しに行ってみるといいでしょう。
初心者がギター教室に通う5つのメリット
初心者がギター教室に通うのは、敷居が高すぎると感じているかもしれません。
しかし、初心者だからこそギター教室で得られるメリットはたくさんあります。
ギター教室に通うか悩んでいる人は参考にしてください。
効率よく上達できる
ギター教室に通えばプロの講師に学べるため、正しい知識が回り道をせずに習得でき、効率よく上達が目指せるでしょう。
基礎から応用までしっかりと学べるカリキュラムが組まれており、個人のレベルに合わせて指導をしてくれます。
独学でも教則本を使ったり、インターネットの動画などを参考にしたりと教材をそろえることは可能です。
しかし、自分に合った練習方法がわからず挫折してしまう恐れがあります。
ギター教室に通えば、わからないことはすぐに講師に相談ができストレスなく学べるため、継続にもつながります。
正しい情報を学べる
プロのギター講師は、ギターに限らず音楽の知識が豊富なため、正しい情報を学び、実践できるのもギター教室のメリットです。
教則本やインターネットの情報は発信の内容が異なることも多く、何が正しいのかわからなくなってしまうことがあります。
自己流で練習を続けるよりも、ギター教室で正しい情報を得て基礎をしっかりと身につけましょう。
演奏方法だけではなく、チューニングやメンテナンス、楽器の購入で悩んだときも相談に乗ってもらえます。
独学では学べない知識やテクニックを学べる
ギター教室に通えば、教則本やインターネットの情報ではなく、プロの講師しか知らない知識やテクニックを教えてもらえます。
難しい曲の練習方法や独特の演奏スタイルをしているアーティストの演奏テクニック、楽譜にはないアドリブ演奏の方法など、自分で調べてもわからないことを質問できるのも、ギター教室に通う魅力の一つでしょう。
ギター教室では、音楽理論や作曲なども学べるため、いつか自分だけのオリジナル曲を作ってみたい人にもおすすめです。
練習のモチベーションを維持できる
ギター教室では、発表会などのイベントやグレードテストなど、人前で演奏ができる機会を作っています。
独学では、人前で披露をしたり、セッションをしたりする機会もないため、練習に身が入らず、目標を見失ってしまう恐れがあります。
ギター教室のイベントに参加すると明確な目標設定ができ、モチベーションも上がるため、継続にもつながるでしょう。
また、普段はマンツーマンレッスンでも、イベントではほかの参加者の演奏を聴けるため、刺激を受けてさらなる目標ができるかもしれません。
ともに切磋琢磨する仲間ができる
ギター教室のイベントは、一緒に頑張るギター仲間ができ、練習のモチベーションが維持できるメリットもあります。
ギター仲間を通じて、教室以外でも新しい交流が生まれるかもしれません。
プロの講師から得られる情報も貴重ですが、同じ立場の生徒同士での交流も自分の視野を広げるきっかけになります。
初心者がギター教室に通う3つのデメリット
モチベーションの維持ができ、効率的に上達が見込めるため、メリットのほうが多く感じるギター教室ですが、少なからずデメリットもあります。
メリットもデメリットも理解した上で検討するといいでしょう。
お金がかかる
独学であれば楽器代と教材費程度ですが、ギター教室に通うにはレッスン代が必要です。
教室によっては入会金や施設費など、レッスンそのものにかかるお金だけでは済まないケースも考えられます。
しかし、入会金がかからないギター教室や楽器のレンタルが無料など、お得な特典がある音楽教室もあります。
体験レッスンなどに参加する前に、料金システムはしっかりと確認し、無理なく払い続けられるか検討しましょう。
教室や講師と相性が合わないことがある
ギター教室は、それぞれが独自のカリキュラムを取り入れているため、教室の方針が自分の目的に合わないことがあります。
また、カリキュラムは魅力的でも講師との相性が合わず、独学よりも練習に身が入らないケースも。
ギター教室の講師になるための資格は存在しないため、講師のレベルにも差があります。
ギターのレッスンがストレスとなり上達を妨げることがないよう、まずはどのような講師が在籍しているか確認してから、体験レッスンに参加してみるといいでしょう。
レッスンに通っているうちに、教室はよくても講師に不満が出ることも考えられます。
今通っている音楽教室を辞め、新しい音楽教室に通うのも一つの方法ですが、また入会金などの費用がかかる可能性もあるため、講師の変更ができるか相談してみてください。
予定が調整しにくいことがある
レッスン日はどのような形態でも、事前に決めなくてはなりません。
ギター教室は、毎週曜日や時間が固定されている教室もあれば、レッスンのたびに予約が必要な教室もあります。
忙しい人は固定されている教室を選択すると、忙しくほとんど行けずに退会してしまうケースも珍しくありません。
なかなか事前に予定がわからず変更が増えそうな場合は、レッスンのたびに予約ができる教室か、レッスンに行けなかった日がある場合にあとから振替の制度がある教室を選ぶのがおすすめです。
レッスンの回数は多ければ多いほどいいわけではありません。自主練習の時間を取り、課題をクリアしてからレッスンを受けるのがベストです。
練習をしないままレッスンに行くと、レッスン時間が練習の時間になってしまい、講師から新たな知識やテクニックを得る時間が削られてしまいます。
いつでもどこでも受けられるようにしておきたい場合は、オンラインレッスンが可能な教室を選ぶといいでしょう。
まとめ
ギターは大人から始めても、上達する可能性が十分に見込める楽器です。始める前にTAB譜やチューニングの知識、ギターの基本的なパーツの名称は覚えておきましょう。
弾き語りなどにチャレンジし一人で演奏したい場合はアコースティックギター、上達したらベースやドラムとバンド演奏をしてみたい人はエレキギターがおすすめです。
初心者はいきなり曲から練習するのではなく、基礎からしっかりと学び、少しでもいいので毎日ギターに触れる時間を作ってください。
独学に行き詰ったときやギターを始めるか悩んでしまったときは、ギター教室に通ってみるといいでしょう。
ギター教室ではイベントも多く、人前で演奏したり人の演奏を聴けたりするため、効率よく上達が目指せます。
多くの教室が体験レッスンを行っているため、まずはお試しで行ってみるのもありです。
すぐに諦めずギターの基本をしっかりと学び、憧れの一曲を奏でられるように頑張りましょう。